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スマホを捨て、手書きノートで挑むキャンプ 電波の届かない山奥で焦る
日々の介護とパートの繰り返しで息が詰まりそうになり、現実逃避するように車を走らせて山あいのキャンプ場にやってきました。
しかし、自然の中でリフレッシュするはずが、現地に着いた途端に別の焦燥感に襲われることになりました。
スマホの画面を開こうとしても、山間部のため電波がほとんど入りません。
さらに、直射日光の下では画面の文字が反射して見えず、調理の途中で何度も手を拭いてスマホを操作しなければなりませんでした。
おしゃれなキャンプ飯を作ろうと動画やレシピサイトをいくつも開いたものの、調味料や工程が増えすぎたせいで現地でパニックになってしまいました。
結局、手間取った挙句にいつものレトルト食品に頼る羽目になり、何のために自然の中へ来たのか分からない情けなさが残りました。
無印のノートにレシピを絞る
前回の苦い失敗を教訓に、次のキャンプではデジタルを一切断つことに決めました。鞄から取り出したのは、普段使いしている無印良品の『上質紙滑らかな書き心地のノート』です。
このノートに、当日に作る料理の工程をあえて5工程以内に手書きで絞り込んで書き出していきました。あれもこれもと欲張るのをやめ、手順を極限までシンプルに削ぎ落としたのです。
実際に紙にペンを走らせて頭の中を整理していくと、いかに自分が無駄な情報に振り回されていたかがよく分かりました。
スマホの画面を見ながらだと1時間以上かかっていた準備が、このノートのおかげで平均18分も短縮できるという手応えをあらかじめ得ることができました。
モレスキンで無駄な買い出しを防ぐ
調理だけでなく、事前の買い出し段階から紙の力を借りることにしました。
小さめのモレスキン クラシックノートブックのポケットサイズに、必要な食材と調味料のリストをボールペンで書き込んでスーパーに向かいました。
スマホのメモ機能だと余計なネット記事や特売情報に気が散ってしまいがちですが、手書きのリストだと買うべきものが一目で分かります。
結果として、余計な食材を買わずに済んだことで、今回の買い出しでは1,200円分の無駄な出費を削減することができました。
限られた予算の中で賢くやりくりすることは、日々の家計を預かる身としても大切なことです。紙に書き留めるというひと手間が、現地での迷いを完全に消し去ってくれました。
コールマンの炎と赤字のメモ
キャンプ場に到着し、いよいよ夕食の調理に取り掛かります。
今回はコールマンの『ファイアープレイススタンド』を組み立て、あらかじめノートの端に赤字のメモで書き込んでおいた火加減のコツを確認しながら進めました。
「ここは弱火でじっくり」「肉を返すのは一度だけ」といった具体的な注意点を赤いペンで目立つように書いておいたおかげで、焦がす心配がまったくありません。
手が汚れていても、紙のノートであればパッと一瞥するだけで次の動作に移ることができます。
結果として、今回の調理の失敗率は見事に0%を達成することができました。
炭火の前で完璧なタイミングに仕上がった料理を口にしたとき、これまでにない達成感と小さな誇りが胸に込み上げてきました。
自分を取り戻すための夜
すべての片付けを終えてテントの前に腰を下ろすと、周囲には完全な静寂が広がっていました。スマホの通知音に怯えることもなく、ただパチパチと爆ぜる焚き火の音だけが耳に心地よく響きます。
介護と仕事に追われる日常から一時的に離れ、自分の手で文字を書き、自分の手で火を操るという原始的な営み。その不便さの中にこそ、心が本当に求めていた贅沢な時間が隠されていました。
効率ばかりを追い求めて心がすり減っていた毎日に、この手書きのノートは確かな安らぎをもたらしてくれました。
明日からまた現実の生活に戻りますが、この静かな夜に感じた手触りを忘れずに、少しだけ肩の力を抜いて歩いていこうと思います。
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